検索広告ではLP・Webページをどう設計するべきか

あるサプリメントのLPで、ファーストビューを変更した。
変更後の広告CVRは、
• Google広告:0.55% → 1.40%
• Yahoo!広告:0.83% → 2.41%
となった。
今回変更したのは、単なるデザインやキャッチコピーではない。
変更前は、商品特徴や配合成分を中心に訴求していた。
変更後は、それらの商品情報に加えて、
• 通常価格
• 特別価格
• 送料無料
• 定期回数の縛りなし
• 初回のみで解約可能
といった、初めて購入する際の条件をファーストビュー内で確認できるようにした。

ただし、
「このように変更すればCVRが大きく改善する」
と主張したいわけではない。
アクセス数もまだ十分とはいえず、同じ施策を行えば同じ結果になるという再現性を示すものでもない。
今回共有したいのは、むしろこの施策を考え、実施する過程で改めて見えてきた、
検索広告におけるLPの役割とは何なのか
ということ。
さらにAI Max(検索キャンペーン向けAI最大化設定)などによって、AIが検索内容に応じて遷移先まで選ぶ範囲が広がる中、この考え方は広告専用LPだけでなく、Webサイト全体にも関係してくる。
目次
- 1 広告をクリックしても、ユーザーの検索は終わっていない
- 2 検索広告のLPの役割は「検索を終わらせること」ではないか
- 3 検索広告のLPには「候補になる」と「選ばれる」の2段階がある
- 4 「検索意図・条件との一致」の後に「商品力」を伝える
- 5 ファーストビューで大切なのは「何を置くか」ではなく「情報の優先順位」
- 6 今回のサプリLPでは、なぜ購入条件を優先したのか
- 7 ファーストビューですべてを説明する必要はない
- 8 ユーザーが他社も比較することを前提に考える
- 9 LPに何を書くかは「検索を再開する理由」から考える
- 10 重要な情報の優先順位は、商品によって変わる
- 11 AI広告時代には「LP」という考え方そのものが広がっていく
- 12 AIがマッチングしても、成約まで自動化されるわけではない
- 13 AI広告時代だからこそ「セールスの原則」が重要になる
- 14 まとめ|AI広告時代でも、最後に必要なのは「検索を終わらせるページ」
広告をクリックしても、ユーザーの検索は終わっていない
検索広告をクリックした時点で、ユーザーがその商品を買うと決めているわけではない。
サプリメントを探してLPを訪れたユーザーも、
• 自分が探している商品なのか
• いくらで購入できるのか
• 初めてでも試しやすいのか
• 定期購入に縛りはないのか
• 合わなかった場合にやめられるのか
• どんな商品なのか
• 他の商品と何が違うのか
• 信頼できるのか
などを確認しながら、検討を続けている。
•条件が合わなければ検索結果へ戻る。
•必要な情報が見つからなくても戻る。
•もっと良い商品がありそうだと思えば、別の商品を探す。
つまり、広告をクリックした後も、ユーザーの情報探索と比較検討は続いている。
LPは検索の「後」に存在するページではなく、検索行動の途中に存在するページとして考える必要がある。
検索広告のLPの役割は「検索を終わらせること」ではないか
そこで改めて考えたいのが、検索広告におけるLPの役割。
ひとつの答えとして、
検索広告のLPの役割は、ユーザーに「もうこれ以上探さなくてもよい」と思ってもらい、検索を終わらせることではないか。
もちろん、検索結果へ戻らせないためのテクニックという意味ではない。
ユーザーが、
「自分が探していた商品だ」
「条件も合っている」
「商品そのものも良さそうだ」
「他の商品と比べても選ぶ理由がある」
「信頼できそうだ」
「これなら購入してもよさそうだ」
と判断し、
「ここでいい」
と思える状態を作るということ。
検索結果から始まった情報探索と意思決定を、そのページで完了させる。
これが検索広告における理想的なLPではないか。
検索広告のLPには「候補になる」と「選ばれる」の2段階がある
ユーザーに購入してもらうには、いきなり商品の魅力を伝えればよいとは限らない。
まず、比較検討の候補に残る必要がある。
「候補になる」ためには、①検索意図との一致と②条件との一致が必要になる。
そのうえで「選ばれる」ために、③選ばれる理由と④信頼・不安の解消が必要になる。
① 検索意図との一致
最初に、
「これは自分が探していたものなのか」
を判断する。
検索内容とページ内容がずれていれば、商品を詳しく見てもらう前に候補から外れる可能性がある。
② 条件との一致
次に、
「自分でも利用・購入できる条件なのか」
を判断する。
今回のサプリLPで、ファーストビューに追加したのもこの部分だった。
具体的には、
• 通常価格と特別価格
• 送料無料
• 定期回数の縛りなし
• 初回のみで解約可能
といった条件を、ページを開いた早い段階で確認できるようにした。
ここで重要なのは、価格だけを安く見せたわけではないということ。
特別価格や送料無料といったメリットだけでなく、
「定期購入を続けなければいけないのではないか」
「合わなかったらやめられないのではないか」
といった、購入をためらわせる要因も同時に解消している。
つまり、
買いたい理由を増やすと同時に、買わない理由を減らした。
検索意図と条件を満たして初めて、
「この商品は自分の検討対象になる」という状態になる。
③ 選ばれる理由
候補に残った後は、
「では、似た商品がある中で、なぜこれを選ぶのか」
という判断が始まる。
そこで、
• 商品の特徴
• 品質
• 独自性
• 他商品との違い
• 利便性
• サポート
• オファー
などの商品力が重要になる。
④ 信頼と不安の解消
最後に、
• 実績
• レビュー
• 根拠
• 保証
• FAQ
などによって、
「本当にこれを選んで大丈夫なのか」
という不安を減らす。
「検索意図・条件との一致」の後に「商品力」を伝える
検索広告では、ユーザーの意思決定を次のように考えると分かりやすい。
検索意図との一致
↓
条件との一致
↓
商品力・選ばれる理由
↓
信頼・不安解消
↓
購入・問い合わせ
どれだけ素晴らしい商品でも、
「自分が探しているものか分からない」
「いくらなのか分からない」
「自分でも利用できるのか分からない」
という状態では、商品力を評価してもらうところまで進めない。
だからまず、
候補に残る。
そのうえで、
候補の中から選ばれる。
検索広告のLPでは、この順番を意識してページを設計することが重要ではないか。
ただし、これはLPの情報を必ずこの順番に並べるという意味ではない。実際に何をどの順番で見せるかは、ユーザーが何を判断しようとしているかによって変わる。
ファーストビューで大切なのは「何を置くか」ではなく「情報の優先順位」
ここまで考えると、ファーストビューの役割も見えてくる。
よく、
• ベネフィットを伝える
• 価格を見せる
• 実績を載せる
• CTAを置く
といったファーストビューのノウハウが語られる。
もちろん、どれも重要な要素になり得る。
しかし、すべてのLPで同じ要素を同じ順番で置けばよいわけではない。
重要なのは、
「この検索をしたユーザーは、ページを開いた瞬間に何を判断しようとしているのか」
を考えること。
ファーストビューでは、
候補から外されないための情報
• 自分向けの商品なのか
• 自分の目的に合っているのか
• 利用できる条件なのか
選びたくなるための情報
• 他と何が違うのか
• どんな価値があるのか
• なぜ自分にはこれが合うのか
行動への不安を減らす情報
• 信頼できるのか
• 失敗するリスクは小さいか
• 気軽に試せるのか
などの中から、そのユーザーの意思決定にとって重要度の高い情報を選び、優先して提示する。

つまり、
成果につながるファーストビューを考えるうえで重要なのは、単に「何を載せるか」ではなく、ユーザーの意思決定に必要な情報の優先順位をどう設計するか。
ということではないか。
今回のサプリLPでは、なぜ購入条件を優先したのか
今回の変更前のLPでは、商品特徴や配合成分はすでにファーストビューで伝えていた。
商品情報そのものが不足していたわけではない。
一方で、
「初めて購入する場合、どんな条件で試せるのか」
は、早い段階では十分に確認できなかった。
そこで、
• 通常価格からの特別価格
• 送料無料
• 定期回数の縛りなし
• 初回のみで解約可能
をファーストビュー内に追加した。
これによって、
「この価格なら試せそうだ」
「定期購入に縛られないなら検討できる」
「合わなければやめられるなら安心できる」
といった判断を早い段階でしやすくなった可能性がある。
つまり今回行ったのは、
価格を大きく見せる施策
というより、
ユーザーが「自分の検討対象になるか」を判断するために重要な情報を、優先的にファーストビューへ移した施策
だったと考えている。
同時に、
買いたい理由を増やし、買わない理由を減らした。
これがCVR改善に影響した可能性はある。
ファーストビューですべてを説明する必要はない
ただし、ファーストビューに必要な情報をすべて詰め込めばよいわけではない。
ファーストビューはあくまで入口。
そこで、
「この商品は自分の検討対象になりそうだ。もう少し見てみよう」
と思ってもらった後も、
「本当に良い商品なのか」
「自分に合うのか」
「信頼して大丈夫なのか」
という判断は続く。
そのためLP全体で、
• 商品特徴
• 選ばれる理由
• 実績
• レビュー
• 根拠
• 購入条件
• FAQ
• 不安への回答
• 購入方法
などを提示し、意思決定を前へ進める。
つまり、
ファーストビューでまず残り、LP全体で選ばれる。
という役割分担になる。
ユーザーが他社も比較することを前提に考える
良いLPを作れば、すべてのユーザーがそこで購入してくれるわけではない。
「一応、他も見てみよう」
という人もいる。
最初に自社のLPを見られた場合は、
「条件を満たしている」
↓
「商品も良い」
↓
「ここでいい」
と判断してもらう。
2番目、3番目に見られた場合は、
「条件を満たしている」
↓
「先ほど見た商品と比べても選ぶ理由がある」
↓
「こちらの方が自分に合っている」
と判断してもらう。
つまり、何番目に見られたとしても、
検索意図を満たすこと
と、
比較の中で選ばれること
の両方が必要になる。
LPに何を書くかは「検索を再開する理由」から考える
ここから実務的にLP制作へ落とし込む。
LPを作るとき、
「この商品について何を伝えたいか」
だけで考えない。
もう一つ、
「何が分からなければ、ユーザーはまた検索を始めるのか」
を考える。
たとえば、
• 価格が分からない
• 条件が分からない
• 自分に合うか分からない
• 他社との違いが分からない
• 信頼できるか分からない
• 口コミが見つからない
こうした疑問は、すべて検索を再開する理由になり得る。
優れたLPとは、情報量が多いページではなく、
ユーザーが検索を再開する理由を一つずつ解消していくページ
とも考えられる。
重要な情報の優先順位は、商品によって変わる
今回のサプリでは「初めて購入する際の条件」が重要だった。
しかし、すべての商品で価格や購入条件を最優先にすればよいわけではない。
たとえばオンライン英会話なら、
• 自分の目的に合ったレッスンなのか
• どの程度の費用感なのか
• 自分の生活時間に合わせて受講できるのか
• どんな講師から学べるのか
• 無料で試せるのか
などが重要になるかもしれない。
宅配クリーニングなら、
• 何日で仕上がるのか
• 料金はいくらか
• 自宅まで集荷してもらえるのか
• どんな衣類に対応しているのか
といった条件が重要になる。
法人向け勤怠管理システムなら、
• 自社の規模や運用に対応できるか
• 現在のシステムと連携できるか
• 導入コストはいくらか
• サポートを受けられるか
などが重要になる。
商品やサービスによって、ユーザーが最初に判断したいことは違う。
だから、
ファーストビューは、決まったパーツを並べるのではなく、ユーザーの意思決定から逆算して設計する。
AI広告時代には「LP」という考え方そのものが広がっていく
ここまでの考え方を、AI広告の変化に当てはめてみる。
従来の検索広告では、
「この広告には、このLP」
という設計が比較的明確だった。
しかしAI Maxなどによって、AIが検索内容を理解しながら、サイト内から遷移先を選択する範囲が広がっている。
参考:Google広告ヘルプ「検索キャンペーンの最終ページURLの拡張について」
そうなると、
「広告専用LPだけ作り込めばよい」
とは言い切れなくなる。
• 商品ページ
• サービスページ
• FAQ
• 比較ページ
• お役立ち記事
など、さまざまなページが広告の着地先になる可能性がある。
つまりAI広告時代には、
サイト内のさまざまなページがLPとして機能する可能性がある。
AIがマッチングしても、成約まで自動化されるわけではない
AIが高度化すると、
• 誰に広告を出すのか
• 何を伝えるのか
• どのページへ誘導するのか
について、AIが担う範囲は広がっていく。
しかしAIが適切なユーザーを適切なページへ連れてきても、
「条件が分からない」
「商品の良さが分からない」
「他社との違いが分からない」
「信頼できるのか分からない」
という状態では、購入にはつながりにくい。
AIはマッチングを高度化できる。
しかし、
マッチングされたユーザーの意思決定を前へ進めることは、
依然としてWebページ側に求められる。
AI広告時代だからこそ「セールスの原則」が重要になる
AI広告時代になっても、
検索意図を満たす
↓
条件を満たす
↓
選ばれる理由を伝える
↓
信頼を作る
↓
不安を解消する
↓
行動につなげる
という、人が商品を購入するまでの流れそのものはなくならない。
むしろAIがサイト内のさまざまなページを入口として活用するなら、
広告専用LPだけではなく、サイト全体にこのセールス設計が求められる。
AI広告時代に必要なのは、新しいテクニックだけではない。
人がどのように商品を比較し、納得し、購入するのかという原則を理解し、その意思決定を支援できるWebページを作ること。
まとめ|AI広告時代でも、最後に必要なのは「検索を終わらせるページ」
今回のファーストビュー改善で重要だったのは、単に価格を目立たせたことではない。
ユーザーが、
「この商品は自分の検討対象になるのか」
を判断するために重要な情報を見極め、その情報をファーストビューで優先的に提示した。
その後、広告CVRは改善した。
ただし、この数字だけで施策の再現性を主張するつもりはない。
重要なのは、この実務を通じて見えてきた、
検索広告からLPへ来ても、ユーザーの検索はまだ続いている
ということ。
だからLP全体では、
検索意図を満たし、比較の中で選ばれ、最終的に「もうこれ以上探さなくてもいい」と思ってもらう。
そしてファーストビューでは、
その意思決定に必要な情報の優先順位を設計する。
AI広告によって配信や遷移先の選択が高度化しても、この人間側の意思決定の原則は変わらない。
むしろAIがさまざまなページへユーザーを連れてくる時代だからこそ、
AIに適切なページとして選ばれ、その先で人間にも選ばれる。
そんなWebページをサイト全体に増やしていくことが、これからの検索広告ではより重要になるのではないか。
この記事の著者
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落合 隆文
Ochiai Takahumi
株式会社ハイエンド代表取締役社長
2006年に起業、2008年に法人化。 著書「Yahoo! リスティング広告 最強のネット集客術(ソーテック社)」 コンセプト設計から集客・販売までの仕組みを作ることが大好きです。 こんなに良い商品なのだから、伝え方が変わればもっと多くの人の手に 届くのに・・・。このギャップを解消したく、適切なコミュニケーション でコンバージョンにつなげることに心血を注いでいます。クライアントさま の成功を自分の成功として感じられるこの仕事に誇りを持っています。
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