AI Maxでブログ記事は広告成果につながるのか?検索語句とリンク先のデータ分析と考察 - Highend

AI Maxでブログ記事は広告成果につながるのか?検索語句とリンク先のデータ分析と考察

AI時代のマーケティング

著:落合 隆文
公開日:2026年07月27日
更新日:2026年07月27日

Google広告のAI最大化設定(AI Max)を使っているクライアントさまの広告で、興味深い配信結果を確認しました。

 

前回の記事では、商品ページや広告用のランディングページ(LP)だけでなく、自然検索からの流入を想定して作成していたブログ記事が、GoogleのAIによって広告のリンク先に選ばれ、コンバージョンにつながった事例を紹介しました。

 

本記事では、実際のGoogle広告アカウントで確認した検索語句とリンク先ページのデータをもとに、この現象をさらに詳しく分析します。

 

ただし、実在のクライアント事例をそのまま使うことはできないため、業種・検索語句・記事内容は、着物レンタル事業を例にして書いています。数値は実際の運用実績をベースに掲載しています。

 

この記事でわかること

・AI Maxでブログ記事が広告のリンク先に選ばれていた事例
・AI Maxの検索語句に表示される3つのソースの違い
・検索語句とリンク先ページを組み合わせて分析する方法
・実データから考えられる記事コンテンツと広告配信の関係
・AI Maxの分析で実務上確認すべき項目

 

目次

AI Maxでは検索語句の広がり方を「ソース」で確認できる

Google広告の検索語句レポートでは、AI Maxを通じて広告が表示された検索語句を確認できます。

検索語句のページのフィルタ機能の「ソース」から確認できます。(以下画像参照)

 

 

AI Maxを利用している場合、今回の分析対象は主に次の3つに分かれます。

1つ目のキーワードのからの拡張は、広告グループに登録したキーワードとの関連性もとに配信された検索語句です。こちらはAI Max以前からある通常の検索広告のマッチングロジックと同じ仕組みです。

 

2つ目の「AI最大化設定のキーワード拡張」では、登録したキーワードを起点に、インテントマッチのロジックを使って検索意図が広げられます。インテントマッチとは、検索語句に含まれる言葉だけでなく、その背景にあるユーザーの意図まで考慮して広告を表示する仕組みです。

 

ここで誤解しやすいのが、3つ目の「キーワード以外の拡張」です。この名称だけを見ると、「完全に新しい検索語句が発生している」ように感じられますが、そうとは限りません。

 

より正確には、ユーザーの検索意図とWebサイト内のコンテンツやランディングページの内容が照合され、その結果として広告配信につながった検索語句と理解していただくと良いと思います。

 

今回は、この3つのソースごとに、どのような検索語句へ広告が配信され、どのページがリンク先として選ばれていたのかを確認しました。

さらに詳しく検索語句を分析する

通常の検索語句レポートで分かるのは、「どの検索語句に広告が表示されたか」「どの検索語句からコンバージョンが発生したか」までです。どのページがリンク先として使われたのかは、そのままでは分かりません。

 

AI Maxでは検索語句に応じて異なるページが選ばれるため、検索語句だけを見ていると、各ページが配信の中でどう使われていたのかを見落としてしまいます。

 

そこで、検索語句レポート右上の表示項目から「検索語句と広告の組み合わせ」を選択します。下の画像のように表示を切り替えると、検索語句ごとに、どの広告が表示され、どのランディングページが選ばれたのかを確認できます。

 

 

 

今回は、次の項目を組み合わせて確認しました。

 

・ 検索語句のソース
・ 検索語句
・ 選ばれたランディングページ
・ クリック数
・ 広告費
・ コンバージョン数
・ CVR
・ CPA

 

「どの検索語句に対して、どのページが選ばれたのか」を組み合わせて見ることで、各ページが広告配信の中でどのように使われていたのかを、より具体的に確認できます。

着物レンタル事業を例にした分析

以下は、実際のGoogle広告運用で確認した結果をもとに構成しています。実在のクライアント事例をそのまま使うことはできないため、業種・検索語句・リンク先ページの内容は着物レンタル事業を例にして書いています。数値は実際の運用実績をベースに掲載しています。

 

想定する事業は、オンライン型の着物レンタルサービスです。

 

広告グループに登録したキーワードの例:「着物 レンタル」「留袖 レンタル」「訪問着 レンタル」「結婚式 着物 レンタル」

サイト内にある記事の例:「結婚式で母親が着る着物の選び方」「黒留袖と訪問着の違い」「親族の結婚式で着る着物のマナー」「七五三で母親が着る服装」「着物を持っていない場合の選択肢」など、SEO目的で書かれた情報収集型のコラム記事群です。

 

ここから、ソースごとにデータを見ていきます。

登録キーワードからの拡張でブログ記事がリンク先に使われた際の結果

まず、「キーワードからの拡張」を見ていきます。

「キーワードからの拡張」は、検索語句とのマッチングソースの中の、「広告主様の提供」から確認できます。

これは第1章で説明した通り、広告主が登録したキーワードとの関連性をもとに配信された検索語句です。

以下のような検索語句、リンク先ページがヒットしました。

 

この区分では、サービスページだけでなく、地域別・用途別・比較記事などのブログ記事もリンク先として使われていました。実績データは次の通りです。

 

 

ブログ記事がリンク先となった配信を全体と比較すると、クリック率は、全体の16.7%に対して、ブログ記事がリンク先となった配信は18.5%と、やや高い結果でした。

一方、CVRは、全体の5.6%に対して3.7%と低い結果でした。

 

しかし、ブログ記事がリンク先となった配信では、平均クリック単価が全体の147円に対して94円と、約36%低い水準でした。その理由は断定できませんが、検索語句と広告、リンク先の関連性が高い配信となり、結果としてクリック単価が抑えられた可能性があります。

 

クリック単価が低いため、CVRは全体を下回ったものの、CPAは全体の約2,650円に対して約2,530円と、ほぼ同じ水準に収まっています。

 

ただし、検索語句の内容や配信量などの条件が異なるため、この結果だけでブログ記事の方が広告用LPやサービスページより優れているとは言えません。

AI最大化設定のキーワード拡張で、ブログ記事がリンク先に使われた際の結果

今回の分析で、個人的に最も興味深かったのがこの「登録キーワードを起点としたAIによる拡張」の区分です。

こちらは検索語句とのマッチングソースの中の、「AI最大化設定のキーワード拡張」から確認できます。

 

 

拡張された検索語句、選ばれたリンク先ページの一例は以下となります。

 

登録キーワードを起点とした拡張でも、検索意図に合うブログ記事がリンク先として選ばれていた点が、今回の発見の中心です。

 

 

注目したいのは、「登録キーワードを起点とした拡張」でも、全体のクリックの約半分がブログ記事へ集まっていたことです。キーワード拡張という区分でも、ブログ記事がリンク先として大きな役割を果たしていました。

 

しかも、その集客は非常に効率的でした。

 

ブログ記事がリンク先となった配信は、平均クリック単価が全体の78円に対して約17円と大幅に低く、CPAも全体の2,589円に対して1,171円と、半分以下の水準に収まっていたのです。

 

クリック単価が安く抑えられた理由は断定できませんが、検索語句と記事内容の関連性が高い配信となり、結果としてクリック単価が下がった可能性があります。

私はこれを、AI Maxにおけるブログ記事活用の可能性を示す事例の一つだと考えています。

キーワード以外の拡張では、登録キーワードだけでは捉えにくい検索にも配信された

最後に、Webサイト内のコンテンツやランディングページの内容を手がかりに配信が広がる「キーワード以外の拡張」です。

こちらは検索語句とのマッチングソースの中の、「AI最大化設定のキーワード以外の拡張」から確認できます。

 

 

拡張された検索語句、選ばれたリンク先ページの一例は以下となります。

ここに並んだ検索語句には、「レンタル」という言葉が一つも含まれていません。それどころか、「着物」と入力していない検索さえあります。

 

「結婚式で母親は何を着る」「七五三 母親 洋服 着物 どちら」と検索した人は、まだ着物を借りると決めているわけではなく、そもそも何を着るべきか迷っている段階だと考えられます。

 

サイト内の記事を手がかりに、AIがそうしたユーザーの検索意図を捉え、ちょうどその疑問に答える記事をリンク先として届けていました。

 

登録キーワードだけでは接点を持てなかった層に、記事コンテンツを通じて広告が届いた一例と考えてもよいのではないでしょうか。

 

 

注目したいのは、登録キーワードだけでは届かなかったこうした検索に対して、ブログ記事が非常に効率よく集客できていたことです。

 

ブログ記事がリンク先となった配信は、平均クリック単価が全体の77円に対して19円と大幅に低く、CPAも全体の2,063円に対して788円と、大きく下回っていました。

 

表示回数自体が多くなく、ブログ記事がリンク先となったコンバージョン数は5件と少ないため、再現性が確立した結果とまでは言えません。

 

それでも、登録キーワードだけでは捉えにくかった情報収集段階の検索意図に対して、記事コンテンツが接点になり得たことは、AI Maxを活用したことの大きな利点だと考えています。

今回のデータから見えてきたAI Maxの可能性

今回のデータから私が最も強く感じたのは、AI Maxを単なる「検索語句を広げる機能」として捉えるだけでは不十分だ、ということです。

 

AI Maxは、登録キーワードだけでなく、ユーザーの検索意図に応じてサイト内のコンテンツを参照し、リンク先までも選びます。今回のデータでは、その仕組みが実際に働いていることが確認できました。

 

「キーワードからの拡張」「AI最大化設定のキーワード拡張」「AI最大化設定のキーワード以外の拡張」という3つのソースすべてで、商品・サービスページだけでなく、SEO目的で作ったブログ記事までもがリンク先として選ばれていたのです。

 

しかも、選ばれた記事は、検索語句の言葉が一致しているだけではありませんでした。ユーザーが知りたい内容と記事のテーマにもおおむね一致が見られ、その配信から実際にコンバージョンも発生していました。AIは、検索語句を広げているだけでなく、その検索意図に合うページを、サイトの中から選んでいたのです。

 

だからこそ私は、AI Maxを単なる「検索語句の拡張機能」としてではなく、サイト内コンテンツを広告配信へ活用する仕組みとして捉える必要があると考えています。

ただし、ブログ記事なら何でもよいわけではない

ここまでの内容を見て、「とにかくブログ記事を増やせばよい」と受け取ってしまうと、本来の趣旨とはずれてしまいます。

 

今回リンク先として選ばれていた記事には、いくつかの共通点がありました。

 

ユーザー像・場面・判断基準が具体的に書かれており、一般論だけで終わっていない点です

 

「結婚式で母親が着る着物」のように、場面と立場がはっきりしている記事は、検索意図とも一致しやすかったと考えられます。

 

また、記事単体で完結するのではなく、関連する商品・サービスページや申し込みページへの導線が用意されていたことも特徴の一つです。

 

ユーザーの疑問に答えるだけで終わるのではなく、その悩みを解決する選択肢として、商品やサービスを自然に案内できる構成になっていました。

 

つまり、AI Maxの活用を考えるうえで重要なのは、単純に記事数を増やすことではありません。

 

ユーザーの検索意図を具体的に満たし、その先の商品・サービスへ自然につながるコンテンツを、サイト内に整えておくことです。

AI Maxを始める前の準備と、導入後に確認すること

AI Maxが、サイト内のコンテンツをリンク先として活用する仕組みである以上、事前にどのようなページを用意しておくかは、活用の幅や成果にも関わります。

 

ここでは、始める前に準備しておきたいことと、導入後に確認したい項目を整理します。

導入前に準備したいこと

① 正しいコンバージョン計測

AI Maxは、設定されたコンバージョンデータをもとに配信を最適化します。ページ閲覧やボタンのクリックなど、最終成果ではない行動が主要なコンバージョンに含まれていると、意図しない方向へ最適化される可能性があります。何を成果としてAIに学習させるのかを、あらかじめ整理しておくことが大切です。

 

② 商品・サービスページの整備

サイト内のページがリンク先として選ばれる以上、商品やサービスの内容、料金、利用の流れが分かりやすく整理されていることが前提になります。選ばれても申し込み方法が見つけにくければ、流入を成果につなげることは難しいでしょう。

 

③ 検索意図に答える記事と、その先への導線

先ほど触れたとおり、リンク先として選ばれていたのは、ユーザー像や利用場面、判断基準が具体的に書かれた記事でした。記事数を増やすこと自体が目的ではありません。ユーザーの疑問に答えたうえで、商品ページやサービス案内、問い合わせページへ自然につながる導線を用意しておくことが重要です。

 

④ AIに任せたくないページの除外方針

サイト内には、古い情報が残っているページ、採用ページ、ログインページなど、広告のリンク先として適さないページがある場合もあります。始める前に確認し、必要に応じてURL除外を設定しておきましょう。

 

⑤ テストするキャンペーンと予算を決める

最初からすべてのキャンペーンに導入する必要はありません。一定のコンバージョン実績があり、導入前後を比較しやすいキャンペーンから、対象範囲と予算を決めてテストする方法が現実的です。

 

導入後に確認すること

① 検索語句のソースと、リンク先の組み合わせ

検索語句が3つのソースのどこから発生しているのかを確認します。そのうえで、どのページがリンク先として選ばれたのかを一緒に見ることで、商品ページ、サービスページ、ブログ記事が、それぞれどのような検索意図に対して使われているのかが分かります。

 

② 検索意図とページ内容の一致

選ばれたリンク先が、ユーザーの知りたい内容に合っているかを確認します。関係の薄いページが選ばれている場合は、URL除外やページ内容の見直しが必要です。

 

③ CTR・平均CPC・CVR・CPA

コンバージョン数やCPAだけでなく、クリック率や平均クリック単価も合わせて確認します。今回の分析でも、ブログ記事がリンク先となった配信はCVRが全体を下回っていましたが、クリック単価が低かったため、CPAは全体と同程度に収まった区分がありました。一つの指標だけで良し悪しを判断しないことが重要です。

 

④ 不適切な検索語句やリンク先

配信範囲が広がると、意図しない検索語句が含まれることもあります。成果につながりにくい検索語句や、広告のリンク先として適さないページが選ばれていないかを継続的に確認し、除外設定でAIに任せる範囲を調整していきます。

 

⑤ 新しい記事テーマの候補

AI Maxの検索語句データは、広告改善だけでなくコンテンツ制作にも活用できます。ユーザーがどのような言葉で検索しているのかを確認することで、新しい記事テーマや既存記事の改善点が見つかります。広告から得られたデータを、SEOやサイト改善へ戻す視点も持っておきたいところです。

LPが1ページしかない場合、AI Maxは活かせないのか

AI Maxは、ユーザーの検索意図とサイト内のコンテンツを照合し、検索意図に沿う検索語句へ広告を出そうとする仕組みです。そうである以上、ページ数が多いほど、AIがリンク先として選べる選択肢は増えます。

 

しかし、商品販売用のLPが1ページしかない場合でも、そのLPに、よく検索される疑問(選び方、他との違い、、費用の目安など)への回答を加えて充実させるだけでも、対応できる検索意図の幅は広がると考えています。

 

なお、弊社でも現在、1枚もののLPでAI Maxの導入テストを、クライアントと一緒に進めています。

 

LPの中に「よくある質問」「他社との違い」「お客様の声」「選び方」といったコンテンツを充実させ、特によくある質問を強化することで、さまざまな検索ニーズに応えられるようLPを見直しています。

 

そのうえでAI Maxを実施し、検索広告の広がりを分析しているところです。

 

こちらについても、結果が見えてきた段階で、また別の機会に考察を共有できればと考えています。

まとめ:限定的な範囲から試す価値がある

今回の分析を通じて私が最も伝えたいのは、AI Maxを「検索語句を広げる機能」として捉えるだけでは不十分だ、ということです。

 

今回のデータでは、登録キーワードから広がった検索でも、Webサイトの内容をもとに広がった検索でも、検索意図に合うコンテンツがリンク先として選ばれていました。

 

しかも、登録キーワードだけでは届かなかった検索に対して、効率よく集客できているケースも見られました。

 

AIは、検索語句を広げているだけでなく、その検索意図に合うページをサイトの中から選んでいたのです。

この結果から、私はAI Maxを、検索語句を広げるだけでなく、サイト内コンテンツを広告配信へ活用する仕組みとして捉えています。

 

そして、そう捉えるからこそ、コンテンツの持つ意味が変わってきます。

 

これまで主にSEOの資産として考えられてきた記事コンテンツが、AI Maxのもとでは、広告配信を支える情報としても活用される可能性があります。

 

検索意図を具体的に満たし、その先の商品・サービスへ自然につながるコンテンツは、SEOと広告の両面で働く資産になり得る、ということです。

 

最後に注意点です。AI Maxを導入する際は、最初からすべてをAIに任せるのではなく、まずは限定的な範囲から始めることをおすすめします。

 

どのような検索意図に配信が広がり、どのページが選ばれるのかを確認しながら、自社にとって有効な活用方法を見つけていくことが現実的だと考えています。

この記事の著者

落合 隆文

Ochiai Takahumi

株式会社ハイエンド代表取締役社長

2006年に起業、2008年に法人化。 著書「Yahoo! リスティング広告 最強のネット集客術(ソーテック社)」 コンセプト設計から集客・販売までの仕組みを作ることが大好きです。 こんなに良い商品なのだから、伝え方が変わればもっと多くの人の手に 届くのに・・・。このギャップを解消したく、適切なコミュニケーション でコンバージョンにつなげることに心血を注いでいます。クライアントさま の成功を自分の成功として感じられるこの仕事に誇りを持っています。